頭の中の世界の一部分の物語、思想、感性、感情、感覚、痛み、喜び。 書くことが、生きることの証明 詩、歌詞、エッセイ、小説、短歌、論述、コラム、考察。

芍薬が枯れないように

日和見、作詞、詩、社会心理、精神。

ラウルとティナ

生きていてはならないとされた存在がいた。

生きていては災いを呼ぶとされた存在がいた。

 

 

奴らはいずれこの世界を支配し絶対王政を為す。

 

奴らは異世界から、闇の魂を呼びつける。

 

 

 生きることそのものを否定され、迫害され、惨殺され、

それでも望みをかけたものたちは、否定に心を覆い尽くされて生き延びてきた。

 

たった、2人の、生き残り。

 

 

か細い歌声。

歌声というより、読み歌。

導かれるかのように、生きていてはならないとされた彼は細く暗い道を進む。

 

君も、僕も、

生きていてはならないとされた存在。

 

2人の目があった瞬間、

2人が否定され続けた存在価値を守るために、

契約を結ぶのは容易いことだった。

 

あなたが死ぬときは、あなたが私を否定した証。

私が死ぬときは、私があなたを否定した証。

否定に溺れて生きてきた我々が、我々同士を否定しない限り、

我々は、生きていてはならない存在ではない。

 

これは、生命の存在を確認するための、命の契約。